子どもにとって、母親との「きずな」は、成長において不可欠な条件である。しかし、不幸にも母親と子供が引き離されると、深刻な問題が生ずる。まず、そのような子供は、見捨てられたと感じ、絶望的な孤独感にさいなまれ、この世界を危険で非情な場所として体験する。子供の最初の世界体験は否定的なものになる。
そして、そのような子供は母親の代理となるものを捜し求めることに全エネルギーを注ぎ込む。最初はベビー毛布が母親代わりとなり、それ以降も物質的な満足に執着するようになる。しかし、いずれにせよ、それらが完全に母親代わりになることはないので、欲求不満は残り、さらに悪いことに、母親を求めることのみにエネルギーが費やされるので、成長の妨げになる。
J・ピアス(心理学者)